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海外で水道水が飲める国は12か国!理由と使用時の注意点を解説
海外で水道水が飲める国は12か国!理由と使用時の注意点を解説

海外で水道水が飲める国は12か国!理由と使用時の注意点を解説

2023.05.26 SHINE+
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日本の水道水は、いつでも安心して使用できるよう高い安全性と水質が保たれています。では、海外の水道事情はどうなっているのでしょうか。

当記事では、そのまま水道水を飲める国や、海外で水道水を使用する時の注意点について解説します。

海外旅行や出張を控えている方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 海外旅行や長期滞在を安心して過ごしたい方
  • これまで海外で体調を崩した経験がある方
  • 日本と海外の水道水の違いを知りたい方
  • 海外でも安心して水道水を使いたい方

海外の水道水は飲める?

世界には約200の国がありますが、ほとんどの国では水道水を安全に飲むことは出来ません。日本では、1957年に制定された法令「水道法」により水道水の品質が厳しく管理されているため、「そのまま飲んでも人体に悪影響はない」とされています。しかし、日本ほど水道水を厳しく管理している国は少ないため、同じ感覚で海外の水道水を飲むことは控えた方がよいでしょう。

※日本の水道水については、「水道水を飲むのは安全?おいしく飲む方法や身体に合わない場合の影響」で詳しく解説しています。

安全に水道水が飲める国は12か国

日本では水道水に厳しい品質基準が設けられていますが、水道水の水質は国によって異なります。「水道の水をそのまま飲める国」は日本を含め12か国と言われており、世界でも有数であることが分かります。また、「そのまま飲めるが注意が必要な国」は32か国とされています。これらは、外務省のウェブサイトに掲載されている「海外安全情報」や「世界医療事情」を元に国土交通省が調査し、2021年6月に公表したものです。国の数は調査年によって異なるため、最新情報は国土交通省のホームページをご確認ください。

水道の水をそのまま飲める国(12か国)

  • 日本
  • オーストリア
  • アイスランド
  • アイルランド
  • フィンランド
  • ノルウェー
  • スウェーデン
  • オランダ
  • セルビア
  • モンテネグロ
  • デンマーク
  • ニュージーランド

そのまま飲めるが注意が必要な国(32か国)

  • 韓国
  • アラブ首長国連邦
  • サウジアラビア
  • オマーン
  • イラン
  • カタール
  • シリア
  • ドイツ
  • スペイン
  • イタリア
  • イギリス
  • フランス
  • スイス
  • ギリシャ
  • ポルトガル
  • スロバキア
  • スロベニア
  • エストニア
  • ハンガリー
  • ルクセンブルグ
  • クロアチア
  • オーストラリア
  • 南アフリカ共和国
  • レソト
  • ボツワナ
  • マラウイ
  • キプロス
  • アメリカ
  • コスタリカ
  • パナマ
  • アルゼンチン
  • コロンビア

(出典:国土交通省「水資源に関する国際的な取組」

ここでは、上記の国について地域ごとに解説します。

アジア

アジアの中で水道水が飲めるとされている国は、日本のみです。

日本では、WHOが「有害作用がない」としている塩素濃度の5分の1の基準で水道水が管理されているため、健康被害を受けることはないと考えてよいでしょう。風味には多少影響する場合があるため、気になる方は塩素除去を行ってから飲むことをおすすめします。

※塩素を除去する方法は「水道水の塩素を除去する方法を5つ紹介!身体への影響も解説」で詳しく解説しています。

また、韓国や西アジアの一部地域(アラブ首長国連邦やサウジアラビア、オマーン等)では水道水を飲むことが出来るが注意が必要とされています。韓国では、日本と同様に無料で水が提供されることがありますが、心配な方はミネラルウォーターを注文するとよいでしょう。海外の水は、日本人の体質に合わない場合や、貯水槽の清掃が十分でない場合があるため、基本的に飲むことは避けた方が無難です。

ヨーロッパ

世界的に見ても、ヨーロッパは水道整備の整った国が多い地域です。ヨーロッパは、1つ1つの国の国土面積が狭いため水道インフラを整備しやすかったこと、先進国が多いため水道整備にかける資金的余裕があったこと、水資源に恵まれた自然環境があること等が理由だと考えられています。また、観光産業やスポーツが盛んな地域であるため、水に対する意識の高い国が多い特徴があります。

中でもアイスランドの水道水は、世界で最も水質が高いと言われています。自然豊かなアイスランドは、自然の溶岩フィルターでろ過された氷河の水を使っているため、過剰な化学的処理を行う必要がなく、水道水特有の臭いや風味がほとんどありません。水質管理においても厳しい基準を設けています。アイスランド環境省は、自国の水道水を高級水道水とし「Kranavatn(クラナヴァ)」と名付け、空港やホテルで観光客にボトル配布を行っているほどです。

また、アイスランドの水道水は硬度が低い軟水であるため、日本人でも飲みやすいと言われています。しかし、アイスランドを除くヨーロッパのほとんどの地域では硬水が使われているため、体質的に合わない可能性があるのでミネラルウォーターを購入することをおすすめします。

オセアニア

オセアニア地域だと、ニュージーランドの水道水はそのまま飲んでも問題がないとされています。オーストラリアは、地域によって水道水の質が大きく異なります。首都キャンベラの水道水は質が高いと言われていますが、それ以外の地域では基本的に飲まない方が安全でしょう。また、硬度も地域によって異なり、メルボルンやパース、シドニーの水道水は硬度が低いですが、アデレードやブリスベンでは硬度が高い特徴があります。

オーストラリアでは、日本では行われていないフッ素消毒を施しているため、安全でおいしい水を飲みたい方は、水道水より市販された水を選んだ方がよいでしょう。ただし、オーストラリアでは水の価値が高く、ミネラルウォーター1本で400円程度します。飲食店で提供される無料の水はほとんどが水道水であるため、心配な方はボトルドウォーターを注文しましょう。

アフリカ

アフリカ地域では、水道水をそのまま飲める国はありません。調査年によっては、南アフリカ共和国は水道水がそのまま飲める国に分類される時もありますが、2021年の調査では注意が必要とされています。特に地方エリアは水質が悪く、安全性は保証されていません。都市部であっても水道設備が万全と言える地域は少ないため、ミネラルウォーターの購入がおすすめです。ただし、中には水を販売していない地域もあるため、事前の調査が必要です。

北アメリカ

北アメリカには、水道水をそのまま飲める国はありません。アメリカでは、ニューヨークやロサンゼルスといった大都市でも飲み水は購入するのが一般的です。パナマやコスタリカ等の一部地域では注意すれば飲めるとされている地域もありますが、不安な方はミネラルウォーターを購入するようにしましょう。

南アメリカ

南アメリカでは、水道の整備は整っていません。アルゼンチンとコロンビアでは「飲めるが注意が必要」とされていますが、飲まない方が安全でしょう。

海外で水道水の飲めない国が多い理由

安全性の高い水道水を提供するためには、「十分な水源を確保すること」「飲める状態まで原水を浄化する設備を作ること」「国土全体に清潔な水を運ぶインフラを整備すること」が必要です。日本は島国であるため水源は豊富にありますが、周辺を他国に囲まれた内陸国や乾燥地帯では十分な水源が確保できないことがあります。また、飲んでも人体に影響がない状態まで水を浄化する設備が必要です。日本では、HWOが定める飲料水ガイドラインに基づいて51項目において検査基準が設けられており、「人が生涯に渡って飲み続けても健康に影響が生じない」とされています。

日本のように高い安全性と水質を保った水道水を提供することは難易度が非常に高いです。ここでは、多くの国で水道水を飲むことが出来ない3つの理由を解説します。

(出典:厚生労働省「水道水質基準について」

インフラが整備されていないため

水道水を提供するためには、国土全体に水を供給する水道インフラを整えなければなりません。膨大なコストがかかるため、資金的余裕のある国でないと整備するのは難しいでしょう。発展途上国には、技術や知識、お金がないことから水道自体が存在しない国もあります。

また、インフラ整備に必要なコストは、国土面積によっても異なります。日本の40倍もの大きさがあるロシアや、20倍以上の大きさがあるアメリカや中国でインフラを整えるには莫大な時間とお金が必要です。広大な国土がある国では、水道整備にかけられるコストに限界があるため、飲める状態の水を国土全体に行き渡らせるほどのインフラを整備できないようです。

水質が悪いため

飲める状態の水道水を提供するためには、高度な浄水処理施設が必要です。水に含まれる不純物や細菌を完全に除去する必要があり、水質の悪い地域ほど高度な技術が求められます。また、国内すべての地域でいつ蛇口をひねっても、飲める状態の水を提供するためには、水道管や貯水槽を常に清潔に保っておく必要があります。衛生環境が良い国でないと、飲める水道水の提供は難しいでしょう。

水源が確保できないため

世界には、降水量が少なく川が干ばつするほど乾燥している地域があります。そういった地域では、水道を整備できるほどの原水を確保できません。実際、降水量の少ないアジアやアフリカでは、ほとんどの国で水道整備が整っていません。

海外で水道水を使用するときの注意点

出張や留学などで海外に長期滞在する際は、飲み水としての使用は控えていても、お風呂など生活の中で水道水を使用することは避けられません。海外旅行などの短期滞在でも体調に影響する可能性があるため注意が必要です。ここでは、海外に滞在する際の注意点を解説します。

うがいにはミネラルウォーターを使用する

うがいや歯磨きでは、直接水を口に含むことになるので、水道水を使用する際は注意が必要です。誤って飲み込んでしまったり、口に残った少量の水で体調が悪くなる可能性もないとは言えません。特に子どもがいる方など心配な場合は、ミネラルウォーターを使用すると安心です。

シャワー時に水が口に入らないようにする

海外でシャワーを浴びる際は、口の中に水が入らないよう注意しましょう。下を向いて口にシャワーが当たらないようにしたり、しっかりと口を閉じることが大切です。

水道整備が整っていない国では、水道水を感染源とする病気が発生することがあります。健康維持のためにも経口感染対策は意識して取り組みましょう。

現地の方が水を飲んでいても水を飲まない

現地の人が飲んでいるからといって、自分が飲んでも安全だとは限りません。現地の人は耐性がついていますが、日本の水道水に慣れている人は耐性がついていないためです。また、水質には問題がなくとも、体質的にその地域の水が合わない可能性も考えられます。特に、日本の水は硬度が低いため、海外のほとんどの地域では水道水の硬度が日本より高くなっています。日本から一緒に来た人が飲んでいても、その人が海外経験が豊富な場合や、硬度の高い水に慣れている場合があります。他の人が飲んでいても、念のため飲むことは控えた方がよいでしょう。

海外で水にあたるリスクを抑える方法

体質に合わない水や不衛生な水を飲んでしまうと、水あたりになる可能性があります。特に、身体が慣れていない海外の水道水は、水あたりを引き起こす危険性が高いので注意しましょう。水あたりになると、下痢や嘔吐といった食中毒に近い症状が見られます。合わない水を飲み続けた場合や、雑菌に汚染された水を飲んでしまった場合は、症状が重篤化する場合もあります。

ここでは、水あたりになるリスクを抑える方法を解説します。

ミネラルウォーターを購入する

海外では水道水は飲まず、スーパーやコンビニで販売されているミネラルウォーターを飲むようにしましょう。日本にも輸入されているメーカーのミネラルウォーターは、厚生労働省の厳しい審査基準をクリアしているものなので、体調を崩す可能性は低いでしょう。購入する際は、「商品が未開封であること」と「水の成分」を必ず確認しましょう。日本の水は硬度(ミネラル含有量)が低いため軟水を選ぶと飲みやすいです。また、ペットボトルの水の中でもPurified Waterと記載されているものは、水道水をろ過しただけの水が入っている場合があります。心配な方は、Spring WaterやMineral Waterと記載された商品を選びましょう。

屋台料理や飲み物に注意する

海外で食事する際、屋台料理は特に注意が必要です。屋台では、食材は水道水で洗うのが一般的なので、生野菜やフルーツは避けると安心です。炒めものや茹でられたものなど加熱された料理を選ぶことや、フルーツは自分で皮を向いて食べるものを選ぶように心がけましょう。

また、氷にも注意が必要です。水道水を凍らせている場合が多いので、飲み物を注文する際は、瓶や缶に入ったものを注文するか、氷を抜いてもらうようにオーダーすることをおすすめします。

海外で水道水を飲む方法

海外では、基本的に水道水を飲むことは避け、ミネラルウォーターを購入するようにしましょう。水道水を飲む場合は、そのまま飲むのではなく工夫が必要です。

浄水器を使用する

水道水を注ぐだけで、簡単に飲用水が作れる浄水器が販売されています。持ち運びに便利なボトル型の浄水器もあるので、海外に行く際は準備しておくと安心です。近くにコンビニや自動販売機がない時、一人で出歩くのが怖い時、お店が閉まっている時間帯にお水が飲みたくなった時も、浄水器があれば水道水で安全な飲み水を作ることが出来ます。

煮沸する

水を消毒するために、煮沸させるという方法があります。この際、沸騰してもすぐには火を止めず5分以上は沸騰させ続けることがポイントです。ただし、煮沸したからといって全ての細菌がなくなるわけではありません。アルミニウムや鉛など煮沸だけでは除去できない成分もあります。そのため、煮沸をしても人によっては体調が悪くなる可能性があります。さらに、ケトルやポットでは十分に沸騰させられないので煮沸消毒できません。

より安全な飲用水を確保したい方は、浄水器を使用するかミネラルウォーターを飲むようにしましょう。

海外の水道水に硬水が多い理由

硬水と軟水は、水の「硬度」によって区別されています。硬度とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル含有量のことを示しており、ミネラル含有量の多い水を硬水、ミネラル含有量が少ない水を軟水と呼んでいます。

水の硬度は、地形や地層などの自然環境が大きく影響します。土地が広く川の傾斜が緩やかな場所では、地中のミネラル成分がゆっくり水に溶け出すため、硬度が高くなります。一方で、傾斜が急な場所では、地中のミネラル成分が溶け出す前に海へ流れ出てしまうため、水の硬度は低くなります。

海外は、日本に比べ土地が広い国が多く、雄大な自然の中を水がゆっくりと流れているためミネラル成分が豊富に含まれています。海外の水道水に硬水が多いのは、このためです。

硬水は、美容や健康に良い影響があると言われていますが、軟水に飲み慣れている人が急に多量の硬水を摂取すると、胃腸が対応できずお腹をこわしてしまうリスクがあるため、注意しましょう。

※硬水については、「硬水の特徴とは|硬水を飲み続けることの健康への影響や軟水との違い」で詳しく解説しています。

まとめ

日本の水道水は、世界でもトップクラスの水質が担保されています。日本と同水準の水質が保証されている国はほとんどありませんので、海外へ行く際は、その国の水道事情を事前に調べておきましょう。安全だとされている国であっても、体質に合わないことがあるので飲み水はミネラルウォーターを購入するのが理想です。いつでも欲しい時に購入できるとは限らないので、水の現地調達が心配な方は、浄水器を持参しておくと安心です。

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