TOP
硬水の特徴とは|硬水を飲み続けることの健康への影響や軟水との違い
硬水の特徴とは|硬水を飲み続けることの健康への影響や軟水との違い

硬水の特徴とは|硬水を飲み続けることの健康への影響や軟水との違い

2023.03.31 SHINE+

硬水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれているため、美容や健康に良いとして注目されています。加えて、肉の煮込み料理や硬い米、麺類などの料理に使うこともできます。

しかし、過剰摂取によってお腹がゆるくなったり、腎臓に負担がかかったりするデメリットもあるのが実情です。

本記事では、硬水の基本や定義とメリット・デメリットを解説します。自分にあった硬水を選んで生活に取り入れる参考にしてください。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 硬水を使う予定がある人
  • 硬水の用途を知りたい人
  • 硬水のメリット・デメリットを知りたい人

硬水の定義

硬水の定義は、水1000ml中に溶けているカルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が一定数値を超えているかです。含有量を表わした数値を「硬度」と呼び、硬度の計算式は、硬度=(カルシウム量mg/l×2.5)+(マグネシウム量mg/l×4)となります。

WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/L以上を「硬水」と分類しています。

60mg/L未満

軟水

60から120mg/L未満

中程度の軟水

120から180mg/L未満

硬水

180mg/L以上

非常に硬水

また、硬度によっては「中硬水」というものもあります。

硬水のメリット・飲む効果とは

硬水のメリットや飲む効果を、以下にわけて紹介します。

  • ミネラルが豊富で美容や健康に良いとされている
  • 便秘解消になる
  • 食材との相性によって素材を引き立たせる

ミネラルが豊富で美容や健康に良いとされている

ミネラルが豊富な硬水は、美容や健康に良いとされています。含まれる多量のカルシウムは、脂肪の燃焼を促進する効果があり、ダイエット中に不足する水分とミネラルを補給できるためです。

また、脂肪の吸収を制御する作用もあるため、ダイエット効果も期待できますし、料理に使えばミネラルを効率的に摂取できるのも利点です。

便秘解消になる

硬水は、軟水に比べてマグネシウムを多く含んでいます。マグネシウムは体内で吸収されにくく、腸内にとどまって水分を集めることで便を柔らかくする効果が期待できます。

自然な方法で便秘を解消できる一方で、カルシウムやナトリウムが多く含まれているため、過剰摂取による嘔吐や腹痛等に注意が必要です。加えて、便秘薬にもマグネシウムが使われているため、併用は避けておきましょう。

食材との相性によって素材を引き立たせる

硬水は、食材との相性によって素材を引き立たせる効果も期待できます。具体的な例として以下の4つを紹介します。

  1. 肉の煮込み料理に合う
  2. 硬い米の食感やコシのある麺に仕上がる
  3. 渋みが気になるお茶や紅茶には合う
  4. お酒の味わいを変えたいときにもおすすめ

肉の煮込み料理に合う

肉の煮込み料理に硬水を使うと、ミネラルが肉のたんぱく質と結びつくことでアクとなって溶け出し、臭みを減らしつつ軟らかく仕上げられます。その分だけアクが増えるため、いつも以上に細かく取り除きましょう。

また、軟水と同様の煮込み時間で調理すると肉が硬くなりますし、硬水は野菜やでんぷんに作用してやや硬めの食感になることも考慮すると上手に作れます。

硬い米の食感やコシのある麺に仕上がる

お米の食感を硬めにしたり、パラパラさせたりするなどの食感を楽しみたいときにも硬水が役立ちます。硬水を使うと良いでしょう。お米の繊維を硬くする働きによって、食感に変化を与えるためです。

また麺類においては、デンプンとカルシウムが結びついてコシを出せますし、前述したように野菜に作用して歯応えを出すといった使い方もできることから、アレンジの幅が広がります。

渋みが気になるお茶や紅茶には合う

渋みが気になるお茶や紅茶に硬水を使うと、癖を減らして飲みやすくできます。渋みを楽しめる茶葉の場合、香りや味も同時に弱くなったり、苦味が強くでたりするため、好みに合わせて選びましょう。

一方で、香りや味わいをゆったりと楽しみたい場合は、軟水で淹れるのも一つの工夫です。軟水は硬度が低くミネラル分も少ないため、雑味を減らしてマイルドな味わいに仕上がります。

お酒の味わいを変えたいときにもおすすめ

ミネラル量が多い硬水を割り水に使うと、お酒の味がまろやかになります。軟水から超硬水まで様々な種類の硬水を試してみると、より好みの味わいを見つけられるのも利点です。

ただ必ずしも硬水が良いわけではなく、日本のお酒は軟水をベースに作られていることを考慮して、割り水に同じような軟水を選ぶほうが良いケースもあります。

硬水や軟水を使う際には、好みの香りや飲み口に合わせてちょうど良いものを探すようにしましょう。

硬水を飲むデメリットとは

硬水にはメリットがあるものの、以下のデメリットも存在します。

  • 硬水を飲み続けるとお腹がゆるくなることがある
  • 腎臓に負担がかかる
  • 和食やコーヒーなどには合わない

それぞれ、理由と対策も含めて紹介します。

硬水を飲み続けるとお腹がゆるくなることがある

硬水に含まれるマグネシウムが体内で吸収されにくく、飲み続けることでお腹がゆるくなることがあります。過剰に摂りすぎると下痢になり、脱水のきっかけになることに注意しましょう。

水道水に比べてカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれ、健康に良いとされているものの、適量を守ることが効果を得るためのポイントです。

腎臓に負担がかかる

硬水を過剰に摂取すると、腎臓のカルシウムのろ過が追いつかずに過剰となる場合があります。カルシウム過剰になると、ひどい場合には尿路結石といった症状を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

また、腎不全等の腎臓系疾患を抱えている際には、マグネシウムの排出能力が低下しているおそれもあります。負担をかけないよう、適度な硬度の水を選んだり、主治医に相談したりすることをおすすめします。

和食やコーヒーなどには合わない

硬水に含まれるマグネシウムには、独特な風味や苦味があります。水道水等の軟水を使って作る料理と比べて、味わいや風味に変化があるので和食やコーヒーなどには向いていません。

例えば、和食や出汁の風味を楽しむ場合や、素材の味を活かす料理などが不向きな料理として挙げられます。一方で、肉の煮込みに使って柔らかく仕上げたり、パスタの食感を変えたりするなどには向いているでしょう。

加えて、硬水に含まれるカルシウムとマグネシウムは、コーヒーの酸味や苦みを和らげる効果があるので苦手な人は試してみるのも良いかもしれません。

硬水と軟水の違い|身体に良いのは?

硬水と軟水の違いは、含まれている成分と期待できる効果(用途によって異なる)が挙げられます。

硬水

カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が豊富

ダイエット効果や便秘解消効果など

軟水

ミネラル分が少なくナトリウムやカリウムなどのイオンが豊富

美肌効果やデトックス効果など

日本ではほとんどの地域で水道水として軟水が用いられており、慣れない人が急に硬水を飲むと、腹痛や下痢などの症状を引き起こす可能性があります(個人差がある)。

ただ、ここまで触れてきたように硬水には便秘解消やミネラル補給に使えるなどの効果がありますし、軟水には美肌効果やデトックス効果が期待できます。

硬水と軟水の違いと性質に合わせて、自分に合った水を選ぶことが大切です。なお、水道水は地域によって硬度が異なるため、必要に応じて浄水器を利用するといった工夫を取り入れましょう。

軟水の特徴

硬水と比較した軟水には、洗剤が泡立ちやすいことに加えて以下の特徴があります。

  • シャンプーやスキンケアに適している
  • 内臓への負担が少なく乳幼児でも飲める

マグネシウムやミネラルが少ないからこその用途もありますので、ぜひ参考にしてください。

シャンプーやスキンケアに適している

軟水は、肌へ浸透しやすく刺激が少ないことから、シャンプーやスキンケアに適しています。肌にやさしく浸透力も高いため、肌の潤いを保ちながらケアできるためです。

例えば、海水浴のあとに髪がバサバサになってしまうのは、海水に含まれるミネラルが原因です。硬水にもミネラルが含まれているため、海水同様の状態になる可能性があります。

肌や髪の健康を保ちながら美しさを保つためにも、軟水を使ったシャンプーやスキンケアを取り入れてみると良いでしょう。

内臓への負担が少なく乳幼児でも飲める

軟水は内臓への負担が少なく、胃腸の弱い乳幼児でも安心な水として注目されています。マグネシウムやミネラルが少ないため、体内に吸収される際に発生する内臓への負担を減らせるためです。

市販のミルクも、水道水(軟水)で作ることを前提に成分を調整しているのが一般的です。硬水に含まれるミネラルやカルシウムを加えてしまうと、飲みにくくなったり、栄養のバランスが乱れたりしますので注意しましょう。

日本人は硬水を避けるべきと言われる原因

硬水と軟水が比較されたり、どちらが良いのか調べられたりするうちに、日本人には合わないという言葉を見かけることもあります。その理由は、以下の2つが挙げられます。

  1. 日本の水道水は一般的に軟水のため
  2. 硬水が一般的な国で飲むと水あたりを起こす可能性がある

日本の水道水は一般的に軟水のため

日本における水道水の硬度の平均は48.9 mg/Lであり、WHOによる分類上では軟水に区分されます。

また、全国8,271の計測地点のうち、95%を占める7,917の地点では、硬度100mg/L以下の軟水ですし、66%にあたる5,514の地点では、硬度50mg/L以下という調査結果もありました。

ただし、地下水や表流水、ダム湖沼など、原水の種類に加えて、地域によっても水質が異なるのも実情です。不安な場合は浄水器を使って、軟水へ調整してから使うと良いでしょう。

(参考:水道水質データベース「水道水質データベース」/ http://www.jwwa.or.jp/mizu/list.html

(参考:東京大学「日本全国水道水の硬度分布」/ https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20210629watanabe_horisoubun01.pdf

硬水が一般的な国で飲むと水あたりを起こす可能性がある

水あたりとは、水を飲んでお腹を壊してしまうこと

ミネラル成分(カルシウム・マグネシウムなど)が腸を刺激する

日本人はミネラルを多く含んだ水を飲み慣れていない

硬水が一般的な国では、日本人に合わず「水あたり」を起こす可能性があります。水あたりとは、硬水に含まれるミネラル成分(カルシウム・マグネシウム等)が腸を刺激し、お腹を壊してしまって以下の症状を伴うことを指します。

  • 軟便・下痢
  • 吐き気や嘔吐
  • 腹痛

先述したように、日本においてはミネラル等が少ない軟水を基本としています。そのため、特定の海外において硬水が一般的に利用されている場合、料理や飲み水などによって水あたりを起こしてしまうわけです。

不安な場合には、旅行前に現地の水の硬度を調べておきましょう。

硬水の選び方のポイント

自分にあった硬水を選ぶ際のポイントは、以下の3つが挙げられます。

  1. 硬度を確認する
  2. 製品の成分表示を確認する
  3. 水源を確認する

何を基準にするかは人それぞれなため、飲みやすさや手軽さも加味して選んでみてください。

硬度を確認する

軟水や硬水は、水中に含まれるマグネシウムとカルシウムの量である硬度で分類が異なります。

WHOでは、水の硬度を「マグネシウムとマグネシウムの量を合わせて炭酸カルシウム(CaCO3)の量に換算した値(mg/L)」で表し、120mg/Lより小さければ軟水、大きければ硬水として扱っています。

60mg/L未満

軟水

60から120mg/L未満

中程度の軟水

120から180mg/L未満

硬水

180mg/L以上

非常に硬水

硬度が高くなるほど、カルシウムとマグネシウムの含有率が高いため、飲みにくさを感じるものの、美容や健康に加えて便秘解消へのアプローチが期待できます。一方で、高度が高いほど飲み過ぎになりやすいため注意しておきましょう。

製品の成分表示を確認する

硬水は、栄養の成分割合が少なく、栄養表示成分検査は不要と日本の基準において判断されます。しかし、一部の製品では栄養成分検査が実施され、成分表示が明確なものもあるのでチェックしておきましょう。

なお、硬水において検査される項目の例は以下が挙げられます。

栄養表示成分検査

品質管理や水選びの基準として実施

放射性物質検査

放射性物質(セシウム)が含有していないか検査

基準値は10ベクレル/kg未満

原水2項目検査

人体へ害がある成分を含有していないか検査

例:一般細菌や大腸菌群等

製品水5項目検査

混濁・沈殿物および固形の異物・大腸菌群・細菌数・真菌(カビ)の検査

清涼飲料水成分規格47項目検査

製品水5項目検査に加えて鉛や水銀等の42項目の検査

清涼飲料水の成分規格に準ずる

安全に配慮した取り組みに加えて、成分が明確に公開されているものであれば、安心して飲み水等へ活用できます。

水源を確認する

硬水は、原水となる地下水にも違いがあります。含有する成分が異なるため、代表的な種類である以下を参考にしてください。

浅井戸水

浅井戸から汲み上げた湧き水

深井戸水

深井戸から汲み上げた湧き水

鉱泉水

水温が25度未満の湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される

温泉水

水温が25度以上の湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される
温泉法第2条の規定に基づいた飲用水

鉱水

地下水等を採水した湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される

伏流水

河床・河川敷の下を流れる湧き水
自然にろ過されている

鉱水

特定の地層や岩盤から地下水が流出

鉱物質やイオンと化合して独自の特徴を持つ

どの原水を使用しても、ろ過に加えて加熱殺菌が行われますし、同等の除菌・殺菌処理は基本となっていますので安心して使えます。ただし、飲料水として作られたのか、その他の目的にあわせて調整されたのか、などで用途が変わってしまうのも実情です。

不安な場合は原水の成分もチェックしておき、使用に問題がないことを確認しておくと安心です。

まとめ

硬水は、美容や健康に加えてダイエットにも使えるメリットがある一方で、過剰摂取するとお腹がゆるくなったり、腎臓に負担がかかったりするのが実情です。

自分にあった硬度の硬水を見つけて、使い方も工夫してみましょう。不安な場合には、原水や成分をチェックしておくことも大切です。

また、飲み水や日常生活で手軽に使える水を用意する際には、水道水をろ過できるシャインウォーターがおすすめです。浄水されたキレイでおいしい水を自宅で用意できるため、ぜひチェックしてみてください。

シャインウォーター/シャインウォーター リング

浄水器一体型ウォーターサーバー

シャインウォーター