ミネラルウォーターとは、食品衛生法で「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義される水のことです。
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4つに分類されてそれぞれ特徴が異なり、種類や硬度などによる違いでどのように選べばよいか困惑している人は多いのではないでしょうか?
本記事ではそのような方に向けて、ミネラルウォーターの基礎知識から飲み方のポイントまでわかりやすく解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
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目次
ミネラルウォーターとは?
ミネラルウォーターが何であるかを知るために、ミネラルウォーターの定義と種類・分類について見ていきましょう。
ミネラルウォーターの定義
ミネラルウォーターとは、食品衛生法の第13条で「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義される水のことです。
ミネラルの含有量によって、軟水と硬水に分類されます。また、炭酸を含むものやカルシウムなどを添加したものもミネラルウォーターに該当します。
ミネラルウォーターの種類・分類
ミネラルウォーターは、処理方法や採水場所によって細かく以下の4つに分類されます。
ナチュラルウォーター |
最低限の処理を施した地下水 |
ナチュラルミネラルウォーター |
地層から溶けだしたミネラル成分を含む地下水 |
ミネラルウォーター |
ナチュラルミネラルウォーターに加熱、沈殿、ろ過以外の処理を施した水 |
ボトルドウォーター |
上記3つに該当しない水、処理方法に決まりはない |
ナチュラルウォーターは最低限の処理で採水された地下水、ナチュラルミネラルウォーターは地層から溶け出したミネラル成分を含む地下水です。
またミネラルウォーターは、ナチュラルミネラルウォーターに加熱、沈殿、ろ過以外の処理を施した水、ボトルドウォーターはこれら3つに該当しない水が当てはまります。
ネラルウォーターと水道水の違い
ミネラルウォーターと水道水の代表的な違いは、以下の3つが挙げられます。
- 安全基準を定める法律が違う
- 採水地が違う
- 味が違う
安全基準を定める法律が違う
ミネラルウォーターと水道水は同じ水ですが、厳密には3つの違いがあります。
まず、ミネラルウォーターの安全性を定めているのは「食品衛生法」であり、水道水の安全性を定めているのは「水道法」です。
また、安全基準を満たすチェック項目の数も異なります。ミネラルウォーターは39項目に対し、水道水は51項目が設けられています。
しかし、このチェック項目だけを見ると水道水の方が安全性に優れているように思えますが、日本の水に対する安全基準は非常に厳しく定められています。
つまり、ミネラルウォーターと水道水はいずれも安全な水と言えます。
採水地が違う
ミネラルウォーターと水道水は採水地が異なります。
ミネラルウォーターの原水は地下水であり、鉱泉水や深井戸から採水された水などが使われています。
一方、水道水の原水は全国各地の湖やダム、河川などです。
採水地は全国に点在しています。
ミネラルウォーターは買えば好きな採水地の水が手に入る一方、水道水は原則として住宅地の近くの採水地から供給されます。
味が違う
ミネラルウォーターと水道水の味わいは大きく異なります。
一つの大きな要因は塩素です。水道水には安全性を高めるために塩素が添加されています。
口にすることを前提としているため、塩素は人体に害のないものです。しかし、人によっては塩素の臭いを感じることがあります。
ミネラルウォーターには塩素が含まれていないため、味や風味を阻害することはありません。
また、同じミネラルウォーターでも硬度の違い(硬水と軟水)によって味わいが異なります。
したがって、水の味わいは塩素の有無やミネラル成分の調整によって大きく変わってくるのです。
ミネラルウォーターを使うメリット
ミネラルウォーターを使うメリットは、以下が挙げられます。
- 体に必要なミネラルが補給できる
- さまざまな健康効果も期待できる
- 意識的な水分補給をサポートしてくれる
体に必要なミネラルが補給できる
ミネラルウォーターを飲むことで、体に必要なミネラルを簡単に補給できるという利点があります。
ミネラルウォーターには、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなど、4つのミネラルが含まれています。
ミネラルは、体の代謝機能を維持したり、骨や筋肉などの体組織を作る材料となる重要な栄養素です。
神経や筋肉の働きを活発にする栄養素でもあり、心身のバランスを保つために不可欠です。
これらのミネラル成分は、食事やサプリメントで補うことができますが、飲み物からも摂取することができます。
ミネラル成分を多く含んだミネラルウォーターを選ぶことで、より効率的にミネラル補給ができるでしょう。
さまざまな健康効果も期待できる
ミネラルには心身を整える作用があるため、さまざまな健康効果が期待できます。
例えば、カリウムは体内の調整機能を担うミネラルであり、ナトリウムの排出を促す作用があるため、塩分の取り過ぎが気になる人にとっては強い味方となります。
カルシウムは、血液の凝固や骨の生成に役立ちます。
マグネシウムは神経伝達や筋肉の収縮に重要であり、不整脈や高血圧の予防や抑うつなど、さまざまな効果が期待できます。
また、こうしたミネラルがもつ作用から、便秘の改善やデトックス効果があるとされています。
意識的な水分補給をサポートしてくれる
ミネラルウォーターは、水道水と違い、何らかの形で購入しなければ手に入りません。
日本では、水道をひねればいつでも安心・安全な水が手に入るため、わざわざ水を購入することは、口にする水についてこだわっていることを意味します。
普段から水分を摂る習慣が身についていない人にとっては、大きな意識改革が必要です。
ミネラルウォーターを飲むことで、より意識してこまめな水分補給を実践しやすくなるでしょう。
ミネラルウォーターを飲む際の注意点
ミネラルウォーターを飲む際の注意点は、以下のとおりです。
- ミネラルウォーターの硬度を確認する
- 開封後はすみやかに消費する
- 体調の悪い人や赤ちゃんは飲まない
ミネラルウォーターの硬度を確認する
ミネラルウォーターを飲料用水にする場合、硬度を確認することが重要です。日本の採水地から採取された原水を使用しているミネラルウォーターのほとんどは軟水です。
一方、海外製のミネラルウォーターの多くは、ミネラル分が多く含まれた硬水です。ミネラルは体にとって必要な成分ですが、過剰摂取すると腹痛や体調不良の原因になることが知られています。
持病がある人や、サプリメントなどでミネラルを補充している人は特に注意が必要です。
開封後はすみやかに消費する
ミネラルウォーターは、ボトルを開封した後はなるべく早く飲み切るようにしましょう。
ミネラルウォーターは採水した原水にあまり手を加えていないため、健康志向の人にとってはメリットがありますが、腐敗が進みやすいのが難点です。
ミネラルウォーターを開封した後は、消費期限内でもすみやかに使い切りましょう。
体調の悪い人や赤ちゃんは飲まない
ミネラルウォーターは、赤ちゃんのミルク作りや体調の悪い人が使用する場合には注意が必要です。理由としては、ミネラルウォーターに含まれるミネラルが月齢や体調によって合わない可能性があるためです。
消化器官が未発達の赤ちゃんにとって、大量のミネラルは刺激となってしまいます。高血圧症や腎臓機能に問題を抱える人は、一部のミネラルと相性が悪いため、ミネラルウォーターを避けることをおすすめします。
一般に健康に良いとされるミネラルですが、人によっては不調の原因ともなるため注意が必要です。
まとめ
ミネラルウォーターは水道水と同じく安全性の高い水です。処理方法やミネラルの含有によって4つの種類に分類されています。基本的には、ミネラル成分を多く含む水を積極的に取り入れることで、体に良い影響が期待できます。
ミネラルウォーターは水道水と同じように安全性の高い水ですが、体調の悪い人や赤ちゃんは飲まないほうがよいとされています。
日ごろから飲み水を気遣って過ごす場合は、水道水をろ過しつつ温度調整まで対応したシャインウォーターがおすすめです。気軽に水分とミネラル補給がしたいという人は、ぜひ活用してください。