赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんにとって、良質な水分補給は母乳の質を良くするという意味で非常に重要です。
本記事では、おっぱいに良い飲み物とは何か、お母さんが食べた物や飲んだ物が赤ちゃんや母乳にどう影響するかについて解説します。
おっぱいがどのような成分でできているかを知れば、自ずと摂るべき栄養や注意すべき飲み物について理解が深まります。
母乳育児を志している、妊娠中、赤ちゃんの発育について気になることがあるという人はぜひご一読ください。
【この記事はこんな方におすすめです】
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目次
授乳期のお母さんにとって水分補給はマスト
授乳期のママであれば、自分が飲んだ飲み物がどれほど母乳に影響するか気になる人は多いでしょう。
まずは、母乳とは何か、授乳中のお母さんは何に気を付けるべきかを解説します。
- 母乳は90%以上が水分
- ママの水分は母乳を通じて赤ちゃんにいく
- 水分補給は乳腺炎の予防にもなる
- 喉の渇きを感じるママもいる
母乳は90%以上が水分
母乳は母親の血液を原料に作られており、その成分のおよそ80〜90%は水分で占められているといわれています。
また、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしてくれる栄養素や免疫成分が含まれているというのは有名な話です。
母乳は赤ちゃんにとっての完全食であり、ほんの十数%しか含まれていない水分以外の成分についてはどれも重要なものばかりです。
ママの水分は母乳を通じて赤ちゃんにいく
ママの体はおっぱいを与えることで常に水分が枯渇しやすくなると考えてください。
成分のほとんどが水分ということは、赤ちゃんが飲んだ母乳の量に比例してお母さんの体の水分は奪われていくということがポイントです。
赤ちゃんは月齢が進むにつれて哺乳量が増えます。
水分不足に陥ってしまわないよう、母乳育児中のお母さんはいつにもまして水分補給を心がける必要があります。
水分補給は乳腺炎の予防にもなる
母乳育児中のお母さんにとって、適度な水分補給は乳腺炎の予防にもなります。
乳腺炎とは、おっぱいの通り道である乳管が何らかの理由によって詰まってしまうことで引き起こされる病気です。
乳管の発達が未熟な初産婦さんに多く見られると言われています。
乳腺炎になると、部分的に母乳が排出されないためにおっぱい全体が炎症を起こします。
ひどい場合は細菌に感染してしまう場合もあり、それによって熱が出てしまうという大変な病気です。
ほかにも痛みや腫れ、頭痛といったトラブルに見舞われるため、授乳中のお母さんは積極的に水分補給するよう推奨されています。
喉の渇きを感じるママもいる
授乳中のお母さんは、体の水分が母乳に持っていかれてしまうため喉の渇きを感じやすいといわれています。
さらに、授乳における水分不足で感じられる症状には、喉の渇きのほかに便秘や肌の乾燥もあげられます。
授乳中はホルモンのバランスが乱れ、水分が失われやすいためこまめな水分補給をこころがけましょう。
質の良い母乳とは?
赤ちゃんにおいしいおっぱいを飲んでもらえるよう、質の良い母乳について考えてみましょう。
- 質の良い母乳は栄養バランスのとれた食事から作られる
- 母親の体のコンディションにも左右される
- 授乳期の母親が大切にすべき栄養素
質の良い母乳は栄養バランスのとれた食事から作られる
母乳の原料となるのは母親の血液です。
血液中にある栄養素はすべてお母さんが食べた物から摂取されているため、質の良い母乳を出したいなら栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
育児する中で自分の食事にまで気を回すことは非常に大変です。
しかし、母乳が出るメカニズム上、赤ちゃんに少しでも栄養を届けたいのなら食事に気を遣うしかありません。
無理のない範囲で、栄養バランスのとれた食事がとれるよう工夫してください。
見た目はうっすらと青白い
質の良いおっぱいは見た目にうっすらと青白い色をしています。
母乳の原料には母親の血液が使われていますが、血が赤いのはヘモグロビンと呼ばれる赤血球が含まれているからです。
母乳には水分と酵素や栄養素しか含まれていません。
カゼインという成分が乱反射しているため白く見えるとされています。
味はほんのりと甘い
質の良い母乳の味はさっぱりしてほんのりとした甘さがあるといわれています。
母乳が甘くなる理由は、赤ちゃんが甘みを好むからです。
また、一部では出て時間の経った母乳に鉄臭さを感じる人がいます。
これは母乳が母親の血液から作られているからに他なりません。
味に直接影響を及ぼすことも考えにくいですが、気になる人はこまめに授乳パッドを変えることをおすすめします。
母親の体のコンディションにも左右される
おっぱいを構成する主な成分である乳糖やホエイの割合はお母さんの食事内容が変わったからと言って変化することはありません。
ただ、タンパク質の構成要素が母親の食事によって変わることは報告されています。
さらに、乳頭が切れてしまったり、なんらかの理由で乳管が傷ついてしまったりした場合、母乳に微量の血液が含まれることもあります。
母親の体のコンディションを整えれば、おっぱいの質はより高まると言えるでしょう。
授乳期の母親が大切にすべき栄養素
妊娠期と同様、授乳中のママは食事の栄養素にも気を配りましょう。
授乳期のママが積極的に摂ると母乳に良いとされる栄養は、カルシウムや葉酸、ビタミンです。
いずれも赤ちゃんの成長促進に欠かせない栄養素であり、なかには病気を未然に防ぐために効果があるものもあります。
一日3回の食事でとれれば理想的ではありますが、食欲がない、忙しくてなかなか自分の食事に時間が割けないというお母さんはサプリメントの力も頼りましょう。
無理せず必要な栄養素が補えるのでおすすめです。
おっぱいに良いとされる飲み物
授乳中は母乳に良いとされる飲み物を積極的に取り入れていきましょう。
もし、好きな飲み物を我慢する必要があるという人は、代替品になるものを活用していくことをおすすめします。
- カフェインゼロの飲み物がベスト
- カフェインレスの飲み物も活用して
カフェインゼロの飲み物がベスト
赤ちゃんにおっぱいをあげているあいだは、飲み物としてカフェインの含まれていない飲料を選ぶことをおすすめします。
以下4つの飲料は、カフェインを含んでおらず妊娠中からも飲める飲み物のため安心して飲めます。
- 麦茶
- ルイボスティー
- たんぽぽ茶
- ローズヒップティー
麦茶
麦茶は言わずと知れたノンカフェイン飲料の代表格です。
ミネラルも豊富に含んでおり、香ばしい口当たりが飲みやすいため古くから飲用されています。
水分補給できる飲み物として重宝されており、血液をサラサラにする効能もあることから授乳中のママが積極的に飲んで良い飲み物です。
ルイボスティー
ルイボスティーは南アフリカに生息する豆科の植物から作られたお茶です。
ミネラルやポリフェノールをたくさん含んでおり、体に不足しがちな栄養素であるカリウムを多く含むことで知られています。
カフェインはもちろんカロリーも含まれていないため、妊婦や授乳中のママさん以外にも美容と健康に興味のある人に広く飲まれています。
味は少しクセがありますが、ミルクティーのように飲むことで独特の味をマイルドにできます。
たんぽぽ茶
たんぽぽ茶はたんぽぽの根っこを原料とするお茶です。
香ばしい味わいが特徴で、焙煎することによりさらに風味を増すことから、ノンカフェインコーヒー(たんぽぽコーヒー)として扱う製品もあります。
カフェインを極力摂取したくないけどコーヒーの味が好きという人に好んで飲まれています。
ローズヒップティー
ローズヒップティーはロースHipと呼ばれるバラ科の植物を原料にしたお茶です。
適度な酸味があり、ビタミンCが豊富に含まれていることから美容に興味のある女性に多く飲まれています。
鉄分やカルシウムといった赤ちゃんの発育にも欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
カフェインレスの飲み物も活用して
授乳中のお母さんのなかにはコーヒーや紅茶が大好きで、我慢しなければならないことを苦痛に感じているという人もいるでしょう。
そのような人は、ぜひカフェインレスの飲み物を活用してください。
カフェインレスとは、特殊な製法により飲み物に含まれるカフェインを9割近くカットしています。
味わいもカフェインの入ったものと大差なく、今まで我慢するしかなかったお母さんの救世主として重宝されています。
最近では大手のカフェチェーンでも手軽に購入できるので、コーヒーや紅茶が大好きなママさんはぜひ一度試してみてください。
おっぱいに悪いとされる飲み物
おっぱいの質を良くしたいと考えるなら、カフェインが大量に含まれている飲み物は極力避け、アルコールは絶対に飲んではいけません。
また、良いとされるハーブティーもハーブの種類によって一部、適さないものがあります。
- コーヒーや紅茶のようなカフェインを含む飲み物
- 緑茶やほうじ茶
- ウーロン茶
- セージやペパーミントのハーブティー
コーヒーや紅茶のようなカフェインを含む飲み物
妊婦も避けるべきと言われているとおり、コーヒーや紅茶のようなカフェインを多く含む飲み物は母乳育児中のお母さんには適さない飲み物です。
カフェインには脂肪の燃焼を促進したり、頭をさえさせるといった効果がある一方で、胃腸に刺激を与えたり持病のある人にとっては良くない働きをすることが分かっています。
また、カフェインはミネラルの吸収も阻害します。
よりバランスよく栄養を取り入れるべきママが飲む飲み物としては、メリットよりデメリットの方が際立ってしまうでしょう。
緑茶やほうじ茶
緑茶やほうじ茶にも、コーヒーや紅茶ほどではないもののカフェインが含まれています。
味わいもさっぱりとして飲みやすく、人気の高い飲料ではありますが、カフェインが含まれているという意味では母乳にとって良い飲み物であるとは言い切れません。
ジャスミンティーも緑茶にジャスミンの香りを移した飲み物なので、扱いは緑茶と同じです。
ウーロン茶
ダイエットに効果があるとして知られるウーロン茶も、母乳をあげているお母さんが飲む飲み物としては少々効果効能が本来の目的からそれるものです。
ウーロン茶には脂肪燃焼効果や脂肪の吸収を抑えると言った働きがあります。
しかし、なるべく栄養素を取り入れたいお母さんにとってはウーロン茶の効果効能は不向きです。
セージやペパーミントのハーブティー
母乳育児中のお母さんにとって、セージやペパーミントを原料にしたハーブティーは注意が必要です。
いずれのハーブティーには母乳を抑制する働きがあるといわれています。
卒乳や母乳が出過ぎるママにとっては有効な成分ですが、これから母乳育児を頑張りたいと考える人には不向きです。
アルコール
赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんなら、アルコールの摂取だけは絶対控えるようにしましょう。
お母さんが飲んだアルコールは、約2%が母乳に移行すると言われています。
まだおっぱいやミルクしか飲んだことのない赤ちゃんにとってアルコールは非常に強い刺激のある飲料です。
体質的にアルコールに耐性がない場合も十分に考えられるため、授乳中のアルコール摂取は厳禁です。
おっぱいのコンディションを整えるおすすめのルーティーン
母乳育児を志すなら、以下のおすすめルーティンを参考に生活を整えてみてください。
- 規則正しい生活を心がける
- 睡眠
- バランスのとれた食事
- 赤ちゃんにしっかり飲んでもらう
- 適度かつこまめな水分補給
規則正しい生活を心がける
良質な母乳には母親の体調が万全でいることが何よりも大事です。
早く寝て早く起きるといった基本的な規則正しい生活を心がけましょう。
ホルモンバランスや自律神経も、規則正しい生活によって整いやすくなります。おっぱいが出るメカニズムにはホルモンが影響しています。
リズムの整った生活を送ることで、母乳が出やすい体の土台を築きましょう。
睡眠
良いおっぱいを出すには睡眠時間を削るような生活スタイルもやめていきましょう。睡眠は疲労回復に大きな効果をもたらします。
少し寝足りないだけで日中の注意力が低下したり、体が重だるい、新陳代謝が低下するなどといったさまざまな症状が出てしまいます。
いずれの状態も体にとっては大きなストレスとなってしまうため、良質な母乳を出すことにとって良いものではありません。
バランスのとれた食事
バランスのとれた食事も、母乳育児をするお母さんにとっては重要です。母乳はお母さんが食べたものを原料にして作られています。
添加物の入ったもの、味の濃いものばかりを食べていればその影響は母乳にも及ぶと考えて良いでしょう。
タンパク源やエネルギー、ミネラルにビタミンといった体の発達に欠かせないエネルギーが摂取できるよう心がけましょう。
赤ちゃんにしっかり飲んでもらう
質の良い母乳を考えるにあたって、新鮮さも大事だという考え方があります。
ここでいう新鮮な母乳とは、常に作られて新しい母乳がおっぱいに供給されている状態を意味します。
授乳により適度におっぱいが刺激されれば、母乳の生成も促されます。
赤ちゃんが授乳に専念できる環境を作り、しっかりと飲んでもらえるよう努めてください。
適度かつこまめな水分補給
こまめに適度な水分補給をすれば、母乳のコンディションはより良くなります。
母乳の原料は、母親の血液です。血液のサラサラ度合いを保つには、適度な水分の摂取が欠かせません。
赤ちゃんが日に500mlのおっぱいを飲めば、お母さんの体からもペットボトル一本分の水分を失います。
水分補給をこまめに実践して、奪われていく水分をしっかりと供給していきましょう。
ストレスなく飲める飲み物を探そう
頻繁に水分を補給する必要があるなら、ストレスなく飲める飲み物を探すこともおすすめです。
人は一日に2l前後の水分が必要だとされています。水分を摂る習慣がない人にとって、2lの水分は大変な量と言えるでしょう。
飲むことが億劫にならないよう、自ら進んで飲みたいと思えるような飲み物を探す必要があるのです。
母乳育児に悪い影響を与える物・行動
母乳育児に悪い影響を与える物や行動にはどういったものがあるのでしょうか。
- ストレス
- 一度にたくさんの水分補給をする
ストレス
おっぱいをあげているお母さんにとって、この上なく悪影響を及ぼすのがストレスです。
ストレスは心を疲れさせるだけではなく、体にも不調をきたしてしまうものです。
ごく稀に、強いストレスにさらされたことで母乳の出がストップしてしまったというお母さんがいます。
なるべくストレスを溜め込まないよう、適度にリフレッシュしながら育児に励みましょう。
一度にたくさんの水分補給をする
良いからと言って一度にたくさんの水分を摂ってしまうことも、母乳育児のお母さんにとっては避けるべき行動の一つです。
水分は一度に大量に摂取したからと言って、体の水分量が飛躍的に上がるということはありません。
また、水中毒といって体のナトリウム濃度が低下してしまう病気になる恐れもあります。
水分は一度にたくさんの水を飲むのではなく、少量をこまめに飲むようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんほど、自分の食事や飲み物に気を遣うことはありません。
母乳はお母さんの血液をベースに作られており、含まれる栄養素や水分はすべて母体にあるものを使って作られています。
お母さんが積極的に水分補給することには意味があり、カフェインやアルコールといった赤ちゃんに刺激を与えてしまう飲み物を避けることで良質な母乳が出ます。
水分補給する習慣がなかったというお母さんは、授乳を期に自身の体にも良い“水を飲む習慣”というものを身に付けるのはいかがでしょうか。
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育児中でも手軽に使えるウォーターサーバーを探している、母乳の質を上げてくれるような良質な水が飲みたいという人はぜひ参考にしてください。