麦茶は茶葉の中でも比較的安価で入手でき、ミネラルが豊富でノンカフェインのため赤ちゃんの母乳やミルクの次のステップとして選ばれることの多い飲み物です。ただし、赤ちゃんによっては、なかなか麦茶を飲んでくれないこともあるでしょう。
当記事では、赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない理由と対処法、赤ちゃんが麦茶を飲むときの注意点について解説します。どうして飲んでくれないんだろうと困っている保護者の方は、ぜひご一読ください。
【この記事はこんな方におすすめです】
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目次
赤ちゃんが麦茶を飲まない理由と対処法
麦茶には豊富にミネラルが含まれているため、汗をたくさんかく赤ちゃんにはぴったりな飲み物です。汗をかくと水分とミネラルが失われるため、失った分を補給する必要があります。麦茶であれば食事と一緒に手軽に摂取でき、ノンカフェインで赤ちゃんの体にも優しいです。母乳や離乳食を飲んだり食べたりした後に、麦茶で口内に残ったものを洗い流すこともできます。口内に残らないことで虫歯予防にもつながります。
しかし、さまざまな麦茶を飲むメリットがある一方で、なかなか赤ちゃんが麦茶を飲んでくれないということもあるでしょう。以下では、赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない理由と対処法を解説します。
味が苦手
母乳やミルクには甘みがあるものの、麦茶には甘みがなく苦みがあることから飲んでくれないことが考えられます。
普通に入れた麦茶を飲んでくれないという場合は、麦茶を薄めてみるのも1つの手です。ベビー用の麦茶を飲ませてみるものよいでしょう。赤ちゃんによって味覚の好みは異なるため、麦茶に飲み慣れるまでは薄めた麦茶を少量で飲みはじめ、徐々に量を増やしていくというのがおすすめです。
水分を欲していない
麦茶を飲まない理由として、単純に赤ちゃんが水分を欲していないということも考えられます。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、母乳やミルクですでに水分を補給しているためです。
気温が高くなる夏を中心とした外出中や多くの汗をかいたお風呂上がりなどは、赤ちゃんの喉が渇きやすくなります。おしっこの回数が少なかったり泣いたりしたときも水分補給が必要になるため、そのタイミングで麦茶を飲むよう促してみましょう。
容器があっていない
容器が口の形に合っていなかったり使い慣れていなかったりして、赤ちゃんが麦茶を飲むことを嫌がっている場合もあります。離乳食が始まっている場合は、いつも使っているスプーンで麦茶を与えてみるのも1つです。スパウトマグという傾けると飲み物が出てくる仕組みになっている容器や、ストローマグという飲み口がストローの容器を使用するのもおすすめです。
赤ちゃんの性格によって飲み慣れた容器を好む子もいれば、新しい容器に興味を示して麦茶を飲んでくれる子もいます。まずは使い慣れている容器からはじめて、飲まない場合は新しい容器を試してみるのもよいでしょう。
赤ちゃんが麦茶を飲むのに適した時期と水分量
赤ちゃんに麦茶を飲ませてよい時期の目安は、離乳食が始まる生後6か月頃がよいとされています。「生後1か月から飲める」と記載のあるベビー用の麦茶もありますが、離乳食が始まるまで赤ちゃんは母乳やミルクを飲んでいます。生後6か月頃までは母乳やミルクで栄養や水分が補給でき、麦茶は水分補給だけで栄養は母乳やミルクのように含まれていません。そのため、あえて麦茶を離乳食が始まる前にあげる必要はあまりないと言われています。
最初は小さなスプーン1杯に人肌温度の麦茶を乗せて赤ちゃんにあげましょう。嫌がる様子がなければ、さらに1杯ずつ飲ませます。麦茶には煮出す麦茶と水出しの麦茶がありますが、赤ちゃんには1度沸騰させて殺菌した麦茶がおすすめです。
赤ちゃんの水分補給量は、体重10kgまでは体重1kgに対して1日100mlが目安となります。1日100mlには母乳やミルクの量も含まれているため、10kgの赤ちゃんでは母乳やミルクと併せて1L程度が目安です。お茶や水であれば1回に20〜30ml、1日に200〜300ml程度がよいでしょう。
赤ちゃんが麦茶を飲むときの注意点
赤ちゃんに麦茶を飲ませる場合は、麦茶の作り方や飲ませ方、保存方法などにいくつか注意する必要があります。
例えば、水道水で麦茶を作る場合は一度水を煮沸しましょう。水道水には水をきれいにするために、塩素やトリハロメタンといった不純物が含まれているためです。ベビー用品展で販売されている赤ちゃん用の水であれば、不純物が取り除かれているため沸騰させずに使用できます。また、作った麦茶を保存する場合は、清潔な容器に入れて冷蔵保存しましょう。
以下では、上記以外の赤ちゃんが麦茶を飲むときの注意点を解説します。
午前中に飲ませる
赤ちゃんによって持っているアレルギーはさまざまです。麦茶は大麦で作られた飲み物のため、小麦アレルギーの心配はありません。また麦茶でアレルギーを起こすケースはあまりないと言われています。しかし、大麦でアレルギーを起こさないという可能性がないとは言い切れないため、麦茶を初めて飲ませる場合はかかりつけ医の受診が可能な午前中に飲ませましょう。
ぬるめの温度で飲ませる
赤ちゃんはまだ消化器官が未熟であるため冷たい飲み物は下痢を起こし、熱い飲み物は火傷を起こす可能性があります。常温の麦茶であっても赤ちゃんにとっては少し冷たい飲み物になるため、普段飲んでいる母乳やミルクと同じ程度の温度で飲ませます。具体的には、35〜37℃程度です。電子レンジなどで加熱してから、しばらく放置して冷ましましょう。
麦茶をはじめとした冷たい飲み物は、1歳以降に飲むのを推奨されています。ただし、赤ちゃんによってはお腹を壊しやすい子もいるため、体質や体調に合わせて少量からはじめてください。
その日のうち飲み切る
作った麦茶は時間が経つにつれてどんどんと細菌が繁殖するため、なるべくその日のうちに飲みましょう。一度口をつけた麦茶は特に、その日のうちに飲んでください。口の常在菌などによって、より細菌が繁殖しやすくなるためです。
また麦茶を作る際は煮出した後に、冷水で急冷しましょう。常温で冷ますと細菌が繁殖しやすい温度が長く続くため、急冷するよりも細菌が繁殖しやすくなります。細菌が繁殖した麦茶にはカビが生えたりニオイに異常があったり、お茶にぬめり・とろみがあったりすることがあります。作って数日経った麦茶を飲むという場合は、必ず状態を確認することが大事です。
作った麦茶を保存したい場合は冷蔵庫に入れて、当日に飲みきれない場合は2〜3日で飲み切ります。常温で保存をする場合は、1日以上経過した麦茶を飲むのはおすすめしません。
煮出したティーバックはすぐに取り出す
麦茶を煮出したあとは、ティーバッグを忘れず取り出してください。作った麦茶の中に入れたままにすると、色や香り・味が濃くなり苦みがでるためです。またティーバッグが細菌繁殖の温床になる恐れもあります。
一般的に作った麦茶は、ティーバッグを取り除いたものであれば2〜3日程度日持ちすると言われています。しかし、ティーバッグを入れておくだけで細菌が繁殖しやすくなり麦茶が腐りやすいため、麦茶が日持ちする期間も短くなります。麦茶を作る際は、購入した麦茶の袋に記載されている煮出し時間を守り、煮出したあとはティーバッグはすぐに取り出しましょう。
赤ちゃんに飲ませるのにおすすめの麦茶
麦茶には水出しと煮出しの麦茶がありますが、水出しの麦茶を赤ちゃんに与えるのは避けるのが無難です。赤ちゃんは消化器官が未熟なため、水道水に含まれる塩素やトリハロメタンが赤ちゃんの体に負担を与える可能性があります。水道水をそのまま飲ませて、下痢を起こしてしまう赤ちゃんもいます。しっかりと沸騰させて殺菌消毒した煮出した麦茶の方が衛生的です。
また水の種類には、大きく分けて硬水と軟水があります。日本のほとんどの地域の水道水は軟水ではあるものの、硬水は高濃度のミネラル成分が赤ちゃんの消化器官に負担を与える可能性があるため避けましょう。軟水で沸騰させた水を使用するのがおすすめです。
まとめ
赤ちゃんが麦茶を飲んでくれない理由には、麦茶の苦みが苦手だったり、喉が渇いていなかったり、容器が口の形や赤ちゃんの好みに合っていなかったりが考えられます。麦茶の味を薄くして、喉が渇いているタイミングで赤ちゃんの使い慣れた容器や新しい容器で飲ませてみましょう。
赤ちゃんに初めて麦茶を飲ませるときは、万が一のアレルギー反応に対応できるよう午前中に飲ませます。作った麦茶はぬるめの温度で、その日のうちに飲みきりましょう。細菌が繁殖しないよう、麦茶の煮出し後は急冷してティーバッグをすぐ取り出すことも大事です。
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