ビーチライター 古関 千恵子さん
そもそも海に興味をもったきっかけは、ダイビング。水面下に陸上とは違う、もうひとつの世界があることに驚き、たちまち魅了されました。そして長くダイビングと関われる仕事をと、ダイビング雑誌の編集部に就職しました。ダイビングは気候や環境が大きく影響します。黒潮の蛇行やエルニーニョ現象など、水温が1℃変われば、海の風景はがらりと変わります。南洋から季節来遊魚がやってこない、サンゴの白化現象など、各地から届く海の情報に一喜一憂する日々でした。ダイビングサービスなどは、美しい海を体験してもらうことが、いわば仕事。そのためビーチクリーンなど海を守るためにできることを積極的に取り組むところが多く、私も手伝わせていただいたことがあります。
雑誌編集部を経てライターとして独立後は、旅行ライターより海に特化した「ビーチライター」と名乗るようになりました。ダイビング業界同様、リゾートホテルも美しい自然が何よりもゲストへのおもてなし。そして一流ホテルほど、その意識は高いようです。タヒチのセレブ御用達リゾート「ザ・ブランド」は、俳優の故マーロン・ブランド所有の島に次世代へ自然を残したいという彼の遺志のもと築かれました。発電は海洋深層水やソーラーパワーなどを活用。飲料水以外の水は雨水をろ過。リゾートで出たゴミはたい肥に変え、ハーブガーデンに撒いています。敷地内に再生利用エネルギーに関する施設も作り、研究を重ねています。
また、フィジーやモルディブのリゾートでサンゴの植樹を手伝ったこともあります。サンゴの欠片を結びつけたフレームを海底に置くパターンもあれば、養殖カキのようにロープの数か所に結びつけて海中に垂らすパターンなど、各リゾートで試行錯誤は繰り返されています。モルディブのとあるリゾートには私の植樹したサンゴが今もすくすくと育っています。その成長ぶりをインターネットで見ることもできます。でも、自分の目で見られたら……と、再訪を願っています。
「シックスセンシズ フィジー」ではサンゴの植樹を体験できる
「シックスセンシズフィジー」は養殖カキと似た方法でサンゴを植樹
「フォーシーズンズ リゾート モルディブ アット ランダーギラーヴァル」で誕生日の記念にサンゴを植樹