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湧き水は飲めるものもある?危険性やきれいに湧き出るスポットを解説
湧き水は飲めるものもある?危険性やきれいに湧き出るスポットを解説

湧き水は飲めるものもある?危険性やきれいに湧き出るスポットを解説

2023.03.26 SHINE+

湧き水は、自然に湧き出る水や地下水など、さまざまな種類があります。その多くは自然のろ過機能によって清潔が保たれ、長期保存しなければ飲料水として活用できます。

しかし、中には身体に影響を与える成分が含まれており、そのまま飲むと危険な場合があるのも実情です。

そこで本記事では、湧き水の種類や地下水との違い、飲料水として使う前に知りたい危険性について紹介します。最後には、湧き水にまつわる疑問にお答えしますので、ぜひ最後までご一読ください。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 湧き水について知りたい人
  • 湧き水の危険性を知りたい人
  • 湧き水の仕組みや飲み方を知りたい人

湧き水とは

湧き水は、台地の崖下や丘陵の谷間などから自然に湧き出している水のことです。東京を例に挙げると、多摩川が作った武蔵野台地の湧き水と、多摩川の支川である秋川、浅川流域の湧き水があります。

湧き水は、豊かな自然環境の創出や、観光資源や災害時の水源、身近な動植物の生息環境を支える重要な役割を果たしています。

湧き水の種類

湧き水の主な種類は、以下が挙げられます。

浅井戸水

浅井戸から汲み上げた湧き水

深井戸水

深井戸から汲み上げた湧き水

鉱泉水

水温が25度未満の湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される

温泉水

水温が25度以上の湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される
温泉法第2条の規定に基づいた飲用水

鉱水

地下水等を採水した湧き水
ミネラル成分によって細かく分類される

伏流水

河床・河川敷の下を流れる湧き水
自然にろ過されている

湧き水は、採水深度や水温などの条件によって、さまざまな種類に分類されます。飲料水としても使用できるものがあり、ミネラル成分が豊富なことから健康にも良いと親しまれていることもあります。

自然に湧き出る水と地下水の違い

自然に湧き出る水と地下水は、流れる場所によって名前に違いがあります。言葉通り、地下を流れる水を地下水と呼び、地下から湧き出ている水を湧き水と呼ぶといった形です。

種類は豊富にありますが、地下水が流れ出てきているものは基本的に湧き水で、それに含まれる成分によって細かく分類されているというのが実情です。

湧き水をそのまま飲むのは危険

湧き水には豊富な成分が含まれ、自然にろ過されたものも含みます。しかし、中にはそのまま飲むのが危険な湧き水もありますので、注意しておきたいポイントを以下にわけて紹介します。

  • エキノコックスやピロリ菌などの病原微生物に注意
  • 湧き水を飲めるかどうかは自治体に確認を
  • 持ち帰った湧き水はできるだけすぐに飲み切る

エキノコックスやピロリ菌などの病原微生物に注意

湧き水には、動物の糞尿によってエキノコックスやピロリ菌などの病原微生物を含むことがあります。人間の体内に入ると、胃腸を主として身体に影響を与える可能性があるためです。

水道水や飲料水は、人間が中長期的に摂取しても問題ないよう殺菌・消毒が実施されています。しかし、地下水や湧き水は自然のろ過機能が働いたとしても、完全にこれらを取り除けないことに注意しましょう。

湧き水を飲めるかどうかは自治体に確認を

湧き水を飲めるかどうかは、自治体に確認してみるのがおすすめです。観光地として知られている名所であったり、自治体が管理している水源であったりする場合には、水質検査の対象となっているためです。

一方で、こうした水源に該当しない場合には検査が十分に行われておらず、安全性を確実に保証できるものではありません。山の中にひっそりと湧き出ている水といった、人目に触れない場所の湧き水は飲まないようにしましょう。

持ち帰った湧き水はできるだけすぐに飲み切る

湧き水の水質に問題がないとして持ち帰った場合には、できるだけすぐに飲み切ることも大切です。本来、飲料水として用いられる水道水では、カルキ(残留塩素)によって殺菌・消毒が実施されています。

しかし、湧き水は身体に良い成分が含まれている一方で、悪い成分があるのも実情です。加えて、殺菌・消毒されていないことから長期保存に向かず、放置によって細菌が繁殖する恐れもあります。

清潔な状態で飲むためにも、持ち帰った湧き水はその日のうちに飲み切る形が良いでしょう。

湧き水にまつわるQ&A

最後に、湧き水にまつわる以下のQ&Aにまとめて回答します。

  • 地下水が湧き出る仕組みとは?
  • 湧き水はどのようなスポットで見つけられる?
  • 北海道の羊蹄のふきだし湧水
  • 山梨県の忍野八海
  • 長野県の安曇野わさび田湧水群

地下水が湧き出る仕組みとは?

地下水は、砂や小石が含まれる地層に浸透し、高い標高から低い場所に向けて移動します。これにより、段丘崖や表面層に近い地表部分において、その流れの一部として湧き出す仕組みです。

なお、崖部分から湧き出る水を崖線タイプとし、谷地形から湧き出る水を谷頭タイプという形で分類することがあります。

湧き水はどのようなスポットで見つけられる?

湧き水は、以下のような条件がそろったスポットで見つけられます。

扇状地

端部で湧き水が出やすい

鍾乳洞

洞口で主に湧き水が出やすい

台地や段丘

段差形状の場所から湧き水が出やすい

火山の山嶺

岩盤の割れ目や溶岩層の隙間から湧き水が出やすい

代表的な湧き水のスポットは、「北海道の羊蹄のふきだし湧水」「山梨県の忍野八海」「長野県の安曇野わさび田湧水群」などです。

北海道の羊蹄のふきだし湧水

北海道には、豊かな自然に恵まれた自然資源がたくさんあります。その中でも、羊蹄のふきだし湧水は特に有名です。京極町にある羊蹄のふきだし湧水は、「京極の噴き出し湧水」として北海道遺産にも選定されています。

その他にも、利尻富士町の「甘露泉水」や、千歳市・蘭越の「ナイベツ川湧水」など、北海道にはさまざまな湧き水があります。それらの湧き水は、清らかな水質を誇り、地域の人々の暮らしを支える大切な資源となっています。

山梨県の忍野八海

山梨県の忍野八海は、富士山の噴火活動により涸れた忍野湖の周辺にある湧水池です。1934年に国の天然記念物として指定され、1985年には全国名水百選に選定されました。

その形状、水質、水量、保全状況、景観、仏教思想(富士信仰)などを考慮し、1993年には県富岳百景選定地にも指定され、2013年には世界遺産富士山の構成資産の一部としても認定されています。

忍野八海は、雪解け水が地下の溶岩の間を数十年かけてろ過されて澄み切った水です。湧水池の周囲には、山梨県指定の自然公園「忍野八海公園」があり、山梨県内でも有数の観光スポットとなっています。

長野県の安曇野わさび田湧水群

長野県の安曇野わさび田湧水群は、国土交通省から「水の郷」の認定を受け、1985年に環境省の「名水百選」にも選出された「清らかな水が織りなす風景」を感じられる公園にあります。

わさび田湧水群は、その水質が極めて清浄なことから、特産のわさびやニジマスの育ちやすい環境が整っています。水道水や飲料製造工場に用いられているのも口調です。

まとめ

湧き水は、自然の中にある豊かな贈り物として素晴らしいものですし、飲料水としても活用できる綺麗なものまで含まれます。

ただし、安全に湧き水を飲める場所があるかどうかは、自治体に確認をしてから決めておくと良いでしょう。また、湧き水が出るスポットを訪れて、周辺にある自然の素晴らしさを堪能してみるのもいいかもしれません。

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