普段、私たちが生活で使用しているものとは違う水、海水ですが、アサリの砂抜きや魚の飼育のために手軽に使いたいという方もいることでしょう。
本記事では、海水の塩分濃度から手軽に海水を作れる方法、その活用シーンなどをご紹介します。ぜひ、ご一読ください。
【この記事はこんな方におすすめです】
|
目次
海水の塩分濃度は何%?
約70%、これは地球の表面積を占める海水の割合です。では、海水の塩分濃度はどのくらいになるのでしょうか?
塩分濃度とは、水に含まれる塩の濃さのことです。海水は、約96.6%の水と約3.4%の塩分で構成されています。つまり1Lの海水には約34gの塩分が含まれているということになります。また、海水に含まれる塩分は、すべて同じ成分ではありません。「塩化ナトリウム」、「塩化マグネシウム」、「硫酸マグネシウム」、「塩化カリウム」、「その他」という内訳となっています。
なお、海水の塩分濃度は海域によって異なります。
塩分濃度3%の海水を作る方法
先ほどは海水の塩分濃度についてご紹介しましたが、次は海水の作り方を解説します。
海水を作るには手間と準備は必要ありません。500mlのペットボトルが1本あれば、十分なのです。
〇作り方(500mlの場合)〇
- 500mlのペットボトルに水をいれる
- 15g(ペットボトルの蓋2杯分)の塩を入れる
- ペットボトルをよく振る
以上で完成です。
また、3%の海水を作るときの各分量は以下のようになります。
100ml |
500ml |
1L |
水 100ml 塩 3g |
水 500ml 塩 15g(大さじ1杯) |
水 1L 塩 30g(大さじ2杯) |
海水と同じ塩分濃度であさりの砂抜きをしよう
自宅で海水の塩分濃度と同じ塩水の作り方がわかったと思います。非常に手軽に作ることができるので、料理などにも活用していきたいですね。そこで、自宅で作った海水の塩分濃度と同じ塩水を使ったあさりの砂抜きの方法を紹介します。
あさりの砂抜きの具体的な方法
まずは、あさりを水でこすり洗いします。
スーパーなどで買ってきたあさりは、ザックリと洗うだけで問題ありませんが、潮干狩りで捕ってきたあさりの場合は、しっかりと洗ってください。
次に、ザルとボウルを重ねて、自宅で作った海水の塩分濃度と同じ塩水を入れ、あさりを投入します。
この時の塩水の量は、あさりが浸るくらいにしておきましょう。
その後、新聞紙やアルミホイルをボウルに被せます。
これは、ボウルの中を暗くして砂の中の環境と近づけるためです。また、あさりが塩水を吹き出したときに飛び散らないようにするためでもあります。
冷蔵後にあさりを入れる必要はありませんが、静かで暗い場所に置いておくのも大切です。
最後に砂抜きしたあさりは水を捨ててザルにあげ、30分ほどおきましょう。塩分調整のため、砂抜きで吸ってしまった海水の塩分濃度と同じ塩水を吐かせる必要があります。
以上で、あさりの砂抜きは終了です。
あさりの砂抜きに海水が必要な理由
あさりを食べる時に必要な砂抜き。どうして海水の塩分濃度と同じ塩水で行う必要があるのでしょうか。
あさりは海の中で生活しています。その際、餌を食べたり、海水を吸い込んで呼吸をする際に砂も一緒に体に取り込んでしまうのです。
この砂を吐き出させるために、砂のない環境で呼吸をさせる必要があります。しかし、水道水ではあさりは呼吸することができません。また、安全な状況だと認識しないと砂を吐き出してくれません。
こういった理由からあさりの砂抜きには、海の中と同じような環境にしてあげる必要があるため、あさりの砂抜きには海水の塩分濃度と同じ塩水を使う必要があります。
海水魚の飼育には人工海水を
人口海水とは
人口海水とは、端的にいうと人口海水の素を溶かして作った飼育水のことを指します。では、人口海水と自宅で作る海水の塩分濃度と同じ塩水にはどのような違いがあるのでしょうか。簡単にいうと成分の違いです。海水にはミネラルなどが豊富に含まれているため、海水の塩分濃度と同じ塩水では海水を再現することができません。
一方、人口海水の素は、天然の海水に匹敵するミネラルが含まれており、海水と同じような比重の水を再現することができます。
海から天然の海水を汲んで、飼育水とする方もいますが、天然の海水には病気の原因になる細菌や寄生虫などが混入する可能性もあるため、人口海水の素を使用するのが一般的です。
人口海水を作る手順
それでは、人口海水とはどのように作ればよいのでしょうか。
〇準備物〇
- 人口海水の素
- バケツ
- 比重計
- 温度計
- 塩素除去剤
まずは、バケツへ水道水を注ぎます。
次に、塩素除去剤をバケツに入れて水道水のカルキを抜きます。
その後、水温を24℃~26℃に調整します。これは比重を一定にするためです。ちなみに比重というのは海水濃度のことを指します。海水は、夏場は比重が低くなり、冬場は比重が高くなります。
人口海水の素を投入し、水と混ぜ合わせます。手荒れ等が不安な場合は、ゴム手袋を装着しましょう。バケツの下に沈殿物がなくなり、水が透明になれば問題ありません。
最後に、比重を計測します。比重の計測方法には、「簡易式比重計」と「屈折比重計」の2つがあります。簡易式比重計は、海水をすくうだけで簡易的に比重を測定することができ、コストパフォーマンスに優れています。しかし、精密な測定は難しいとされています。屈折比重計は、光を基準として計測することで正確な数値を計測することができます。ただし、精度の高い人口海水を作ることが必要になります。
比重を計測することは、とても大切です。比重は、海水魚の発育や水質の悪化速度にも影響を与えるため、比重が低いと生体の成長が緩やかで水質は悪化しづらく、比重が高いと生体は早く鮮やかに成長するものの水質が悪化しやすくなるといわれています。
海水魚の飼育に慣れてきたら、自身の飼育環境に合わせて比重を調整していくのも良いでしょう。
海水を使用する際の注意点は?
海水は飲んではいけない
私たちの生活に、水は欠かせないものです。しかし、海水を飲むことは避けましょう。人間の1日に必要な塩分の摂取量は多くて2gです。海水は塩分濃度が高いため、1日に必要な塩分の摂取上限量を超えてしまうことがあります。
塩分を摂り過ぎてしまった場合、高血圧や胃がん、食道がんのリスクが高まるといわれています。これを避けるためにも海水を飲んではいけません。
また、他の理由に、有害物質を摂取してしまう可能性があるという点も挙げられます。海が汚れているのは、主に産業排水や生活排水が原因です。また、川や海などにポイ捨てをされたごみが海を汚す原因にもなります。海にはたくさんの目にみえにくいゴミが存在しているため、飲まない方がよいとされているのです。
水槽用に海水を作る場合は入れ替えの際の比重に注意
比重について先ほど触れましたが、そもそも比重とは、体積が同じ物質同士の質量の比のことをいいます。比重は、水温で変化するという性質を持ちます。そのため、水の入れ替え時にはもともとの飼育水と新しく注ぐ人口海水とで水温を合わせ、比重を揃えなくてはならないため、入れ替えの際には注意しておくことが大切です。
まとめ
海水の塩分濃度は3%であり、海水を作るためには500mlのペットボトルがあれば可能であることがわかったことでしょう。また、適切なあさりの砂抜きをするには作った海水であさりを浸し、冷暗所で行うことが大切です。
浄水器一体型のシャインウォーターは、国産カートリッジによって不純物を除去した水が使い放題なため、大量に水が必要になった時などに便利です。ぜひ、チェックしてみてください。